【コラム005】ニーズの不一致

群馬県伊香保温泉に行く機会があった。名所「石段街」には、平日でもそれなりに人がいる。さすが1200年以上の歴史ある名温泉地だ。

ところが、石段街のメインストリートでも休業中や空き家が目立つ。昔懐かしい射的場など昭和レトロを売りにするのは良いが、「空き家」はかなりのマイナスイメージとなる。

石段街を歩いてみて感じた事は、「お金を使いたい(消費欲がある)にも関わらず、『お金を使う所がない(消費したいモノやコトがない)』」。他の散策中の人を見ていても同様の動きをしている。

これは他の観光地でもよく見かける現象で、「財布の紐は緩めているのに使わせてもらえない」状態。現代人のニーズに合致した商品やサービスが提供されていないのだ。

お土産屋さんの愚痴でよく聞く台詞が「最近の人は全然買ってくれないよ」だが、実のところ「自身の提供している商品とサービスがオワコンなのだ」という事に気付けていないだけなのかもしれない。

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