フロントとして想うこと 39

非効率がもたらす功績とは

私には尊敬できるある支配人がいます。
その支配人は倒産寸前の宿を見事に立て直した仕掛け人です。今回は一つのエピソードを紹介します。

そこはお化け屋敷のように老朽化したハードでしたが、オーナーは最後の賭けで一億円以上の大改築を決定していました。
全面リニューアルに取り掛かるまで後一ヶ月。

その間もお客様は少人数でしたが入ってくれています。しかし客室の障子や壁紙、畳はボロボロ…。

オーナーの考えは
「一ヶ月後には全てをやりかえるのだから、それまでは我慢してもらおう」でした。

この考えに対して支配人は猛然と反対したのです。

「今来てくれているお客様を大事に出来なければ、この先どれだけリニューアルで綺麗になっても、今日のお客様は二度と来てくれませんよ!」と
オーナーにも女将さんにも懇願し、全面リニューアル直前に500万円の営繕を行ってもらったそうです。

効率を重視すればオーナーの当初の考えが当たり前でしょう。
しかし宿泊産業は顧客満足と感動を至上命題とする、ある意味非効率産業の一面もあるのだと、改めて気づかせてもらいました。

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(2013年10月発行 Itohかわら版より抜粋 文/伊藤部長)

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  • 珍しい旅行企画を作るのでTVで取材されました!

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